緊急医療について--今日はちょっと親バカになって息子自慢
2011-04-19


気仙沼にある避難所にボランティアで行っていた息子が帰ってきて、現地での活動内容を興奮気味に電話で話してくれた。息子は3 月28日に鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師(業界では按摩、鍼、灸の頭文字をとって「あ・は・き師」というようだ)の国家試験に合格したばかりで就職活動中だったが、東日本大震災による現地の惨状が報道されるにつれ、いてもたってもいられなくなったらしい。ある団体のウェブサイトにボランティア登録をした。

災害発生当初はボランティア派遣を行う団体の方も混乱していて、現地にどのようなニーズがあるのか?それに最も効率的に対処するのに誰が派遣できるのか?どういう物資を送ればよいのか?その活動資金はどうやって調達するのか?というようなことをテンヤワンヤの中でどんどん決めてゆかねばならない。次から次に判明する事態に対していろいろなことを同時並行で進めてゆかねばならないから、「誰が」の部分でゆっくり派遣者の面接をして選考をしている余裕などない。いきおい「誰が」のほうは手っ取り早く「これまで実績のある人」に声がかかることになる。ということは「登録をしてもサッと団体の方からお呼びが来るわけではない」ということになる。

「なかなかボランティアの派遣が決まらない」との息子の話をきき、私が代表幹事をつとめるある同窓会にMSF(国境なき医師団)日本理事の林健太郎医師が在籍していることを思い出して、メールをしてみた。林医師は通常海外の緊急医療を必要とする現場を飛び回っている。「今リビアかも?」とか思っていたら、現在一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会の被災地支援プロジェクト(PCAT)本部コーディネータとして被災地支援の指揮をとっている、との返信があり、派遣をすぐ考慮できるとのことだったので、早速息子に林医師のメールを転送した。

日本赤十字社による最初の義援金分配が4月15日に行われたことからもわかるように、日赤などの大組織を介在させると義援金の支出に伴う手続きに時間がとられ、義援金が最も必要なタイミングで支出されないケースがあります。

日本プライマリ・ケア連合学会の活動に賛同される方は以下の同学会のウェブサイト経由寄付をお願いします。

[URL][LINK]


息子は林医師と連絡を取り合い、結局彼が今春卒業した日本鍼灸理療専門学校の同級生総勢5名で、現地で大規模な余震がおきた4月12日にPCATが維持している気仙沼拠点に向かった。途中資機材ピックアップのため福島県天栄村の拠点に立ち寄ったら余震で道路が通行止めになり、結局東京から12時間かかって宿舎でもある岩手県藤沢町の藤沢町民病院に設営されたPCATの拠点に到着したそうだ。


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